From CEO

第17回 2017年 新年のごあいさつ

アルベリーアジア 増井 哲朗


皆様 明けましておめでとうございます。
新しい年を迎えて、気持ちも新たにいろいろなご計画をお考えのことと思います。


本年も、皆様のタイでの事業展開にとって、私どものサポートが、
少しでもお役に立つことを願っています。


さて、新年と言えば年賀状の交換が恒例です。
最近ではメールで済まされるという方も多いと思います。


私がENKEIのタイ法人で働き始めたのが、1995年9月ですから、21年前の話になります。
当然、年賀状はタイから発送するのですが、せっかくタイから航空便で送るのに「謹賀新年」だけではもったいないように思いました。
そこで、19年前からは、年賀状として、私がアジア各地で感じたことを「アジア通信」というような体裁にして、近況とともに送るようになりました。


A4一枚の内容ですから、多くのことをお伝えできるわけではありませんが、「家族で読むのが楽しみ」とのご評価を励みにして、気づけば19年も書き続けてきました。
そんな訳で、私の知人・友人向けの年賀状ですので、決して万人向けでないことをお断りした上で、新年の賀詞として皆様にお届けしたいと思います。


皆様の今年のご多幸を心からお祈りいたします。

「2017年 年賀状」


新春のお慶びを申し上げます。
皆様穏やかな新年をお迎えのことと思います。


当方、昨年は大きな変化の年でもあり、また、充実した年でもありました。
会社は6年目を迎え、繁華街に位置する新たなオフィスに移転し業務を開始しました。幸い、お客様からは交通が至便だし、広々としたオフィスで気持ちが良いという評価を頂きました。
また、経営的には、優秀な会計士が容易に採用できるようになったことなど、当初の不安は杞憂に終わり、振り返れば、順調に推移した一年でした。


こちらタイでは、国民に敬愛されていたプミポン国王(ラマ9世)が昨年10月崩御されました。在位70年の間に道路網の整備、水害対策用のダム建設、麻薬撲滅のための辺境地の農業振興などを実行、タイの発展のために尽くされました。写真が趣味で地方巡幸の際には、首には愛用のCANON一眼レフが掛かっていました。


タイの建設工事は予定通り完成しないのが当たり前なのですが、不思議なことに国王の名前を冠したプロジェクトだけは、一日も遅れることなく完成します。タイの人々が久々に“本気で”仕事をする時なのでしょう。
民間人の服喪期間は一ヶ月でしたが、ほとんどの人が弔意を示すために黒色の衣装を着用、街が黒色化しました。


しかし、こちらで暮らす日本人にとっては、タイ人社会の動揺は予想していたよりも遥かに小さなものでした。これは、「停滞は許されない」という生前の国王の希望もあり、その意思をしっかりと国民に伝えた暫定首相のプラユット氏の手腕だと思います。
王位を引き継いだワチラロンコン国王(ラマ10世)が、離婚歴3回ということもあり、国民の人気が今ひとつなのが気になりますが、臨機応変・融通無碍なタイ人のこと、これからも上手に立憲君主制とつきあって行くことでしょう。


最近話題の本に、「ライフ シフト」があります。著者はロンドン大学のリンダ グラットン という女性教授です。その本では、統計データから、2007年以降に日本で生まれた子供の半数が100歳以上を生きると予想しています。
こうした長寿化に合うように、「ライフ=人生」の設計をし直そうというのが本の主旨です。


めでたいことではありますが、日本ではすぐに「年金が・・・」という論議に流れてしまいます。しかし、タイには年金というものがありません。正確に言えば、政府官庁や大手企業でようやく緒についたところです。
普通のタイ人には、最初から年金という概念がありませんが、工夫して自分で年金を作り出します。


だいぶ前のことですが、不動産屋の広告に「マンゴーの樹200本付き土地」というのがあり、不思議に思って会社のタイ人スタッフに訊いてみると、定年退職後の“年金”だということです。面白いのでいろいろ訊いてみました。


まず、マンゴーの樹を200本所有していると家族で普通の生活ができるそうです。若木は安価なので、退職する20年ほど前に植えておけば、退職する頃には市場に出せる果実がなるとか、退職するまでは、その樹をお世話してくれる農家と契約しておけば安心とのこと。人によって、樹はライチーだったり、ヤシの樹だったり種々のバリエーションがあるようです。
最近のタイではアパート経営が“年金”の本流になっているようですが、果樹園を年金代わりにというのは、タイの人々の昔からの知恵で、聞いてなにかほのぼのとした気分になります。どこか、昔の日本の「娘が生まれたら、庭に桐の木を植える」というのにも似ているのかな。
今年も素晴らしい出会いを楽しみに、アジアの風景の中でひとがんばりしてみます。


今年の平穏を祈ります。
そして、皆様にとりまして、輝かしい年となりますよう、
心から祈念いたします。


2017年 元旦  増井 哲朗

 

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